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購読している高城剛氏のメルマガ【Future Report】
2012年2月10日号にある2つ目の記事「世界の俯瞰図」より引用いたします


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■2. 世界の俯瞰図
今週は、バルチック海運指数と日本の国債暴落報道について、お話ししたいと
思います。

商品運搬コストの指標となるバルチック・ドライ指数が約25年ぶりの低水準ま
で下がりました。これが、世界中の経済紙で大騒ぎになっています。

通称BDIと呼ばれるバルチック海運指数は、ロンドンのバルチック海運取引所
が発表する外航不定期船の運賃指数で、株価の半年先行指標と言われています。
バルチック海運取引所は海運会社などから鉄鉱石・石炭・穀物といった乾貨物
(ドライカーゴ)を運搬する外航不定期船の運賃を聞き取り、結果を取りまと
めて同指数を算出、発表しています。これにより、株価ではなく、実体経済の
動きを理解する指標として、少し先の未来を推測しているのです。

基準となるのは1985年1月4日で、この日を1000として算定し数値をだして
います。特に、この指数が注目を集めるようになったのは、中国の鉄鉱石輸入
を始めとする世界的な原料輸送需要の高まりが背景にあります。その高需要に
よりリーマンショックの前の2008年5月20日には過去最高の11793を記録し
ましたが、リーマンショックの後2008年12月5日には663まで低下しました。
そして先週、急落しリーマンショックの数値より低下した662となってしまっ
て大騒ぎになっているのです。
この数値を見る限り、世界は既に「100年に一度」の経済状態より、実体経済
はさらに悪化していることになり、株価がそこまで落ちていない(むしろ上が
っている)ことはおかしいことで、今後どこかで大暴落、もしくは強度のイン
フレが来ると考えるのが自然です。

バルチック取引所のリポートによると、船舶を遊休状態としており、オースト
ラリアでは「荷積みを待つ船舶」があふれているそうです。今週に入り、指数
は少しづつ持ち直していますが、この急落ぶりにはただ事ではありません。

もうひとつの報道は、海外ニュースの小さな記事ですが「なぜ、日本の大手新
聞が一面で日本国際の暴落シミュレーションを報じるのか?」についてです。
2月2日付けの朝日新聞一面に、「三菱東京UFJ銀行の国債暴落シミュレー
ション」について記事が出ています。
これは、「ゴシップ」に近い記事で、なぜ日本の報道機関は緊迫する中東問題
も、冷温停止と言った後に再び温度が上昇している原発記事もあまり取り上げ
ないのに、このような記事を一面で取り上げるのか、について書かれていまし
た。これは、その国を代表する新聞が、一面に取り上げるような内容ではあり
ません。ニューヨーク・タイムズが「シティバンクがアメリカ国家破綻のシミ
ュレーションをした」ことを一面に載せる事はありません。なぜなら、ゴシッ
プだからです。

まず、国債が暴落する可能性はいつきてもおかしくないことは常識で、なぜ、
いまこの時期に一面で取り上げる必要があるのか、です。
そして、世界中そうですが、報道機関が自社で独自取材をしてシミュレーショ
ンを作るのが一般的で(それが仕事です)、他社のシミュレーションは所詮他
社のもので、報道価値としては低く意図を持った「リーク記事」や「ゴシップ」
扱いが一般的です。それをあえて一面で報道するには、なにかの意図が必ずあ
ります。

すなわち、これは財務省の現在視察中のIMFにむけたプレゼンテーションと増
税のための仕掛けだと思われます。
茶番です。
恐らく、財務省が三菱東京UFJ銀行にシミュレーションを作らせ、意図的に
この国債暴落シミュレーションを朝日新聞に流した可能性が高いと思います。
三面記事ならともかく、なぜ一面に掲載して「危機を煽る」と新聞読者が騒が
ないのも不思議ですが、どちらにしろ、作為的であることは否めません。日本
のマスコミに踊らされてはいけません。そして、このあと起きる事は、IMFが
「日本には増税が必要だ」と公表するでしょう。なぜなら、IMFが他国の借金
調査に視察団を送る事は異例中の異例で、それを公表するのも異例です。さら
に、現在のIMFの副専務理事は財務省出身の日本人官僚です。
IMF、マスコミ、金融機関、政治家と、すべて官僚によるシナリオの通り進ん
でいるのです。

世界が大きく揺れ動くと思われる、この先数年は、誰かがシナリオを書いた情
報を元にした報道のガラパゴス化に、本当に注意し、個々が判断をしっかりす
る必要があると思います。
by tt300yy | 2012-02-10 20:40 | DIARY
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